市川市の動物病院 夜間救急:犬の咳が止まらない・呼吸が早い

query_builder 2022/02/08
夜間救急セカンドオピニオン
ポメラニアンの画像

あいす動物病院の高橋です。

夜間に対応することの多い病状である咳や呼吸困難の原因は様々で、治療により経過が良好な病状から、治療が追いつかないほど急速な悪化をたどる病状まで様々あります。


1つ前の記事でワンちゃんに多い心臓病の僧帽弁閉鎖不全症について解説しました。

この記事ではその心臓病が急に悪化した場合のお話をします。

心臓病が悪化した事でこの病状はきているのかな?ということを疑う経過としてはちょっと前から咳払いのようなものが出ていた、ここ数日は少し湿っぽい咳に変わってきていた、気づいたら呼吸が苦しそうで立ち上がることができない(特に夕方と明け方に症状が悪化する子が多くなるような気がします)といった症状が多いように思います。


前回の記事の復習になりますが、小型のワンちゃんに多い僧帽弁閉鎖不全症は血液が心臓の中から全身へ流れていかなくなる病気です。

最初は血液が心臓内で漏れて、うまく全身に血液が流れなくても多少心臓が頑張ることでリカバリー出来ます。

しかし、その状態がしばらく続くと心臓が大きくなってきます。

しばらくというのがどのくらいの期間かというと、その子それぞれで予想の難しいところはありますが、悪化するのが早い子は腱索という心臓の中の靱帯が突然切れることで急に悪化しますし、年単位で徐々に悪化する子もいます。

心臓が大きくなり、血液がうまく全身に送り出せず心臓の中に溜まっている状態をうっ血性心不全といいます。

肺水腫レントゲン

いよいよ心臓の中にも血液が溜まりすぎてしまい、血液の逃げ場所がなくなると心臓の手前の臓器である肺(普段は呼吸するときに広がって酸素を取り込み、はくときに二酸化炭素を出すガス交換ということをしています)の毛細血管という細い血管の中にも血液が溜まります。

よく例えられるのは、心臓の中で血液が交通渋滞を起こしているので、その手前にある肺の毛細血管でも血液の交通渋滞が起こってくるなんて言われます。

毛細血管はすごく細くて壁の薄い血管なので周りの組織(普段ガス交換をしているスペース)に水分がにじみ出ます。

それにより普段酸素を取り込んでいる所が機能しなくなって、うまく酸素を体に取り込めなくなった状態を心原性肺水腫といいます。


上のレントゲン写真は肺水腫のワンちゃんの写真です。

真ん中にある心臓がくっきり見えづらくなっていて、全体的に靄がかったように見えています。


こうなったら一大事です。

当院ではICUユニットがありますので、その中でしっかりと酸素投与を行います。

血圧を確認し、血管内へ薬剤の投与を行います。

薬は主に利尿剤・強心剤・昇圧剤などを投与します。

・利尿剤:血液の中の水分を減らし、おしっこを多く作らせるお薬です

 緊急時は数時間ごとに投与したり、持続的に点滴する場合もあります

・強心剤:心臓の動きを補助して、心臓内からしっかり血液が送り出せるようにします

・昇圧剤:心臓から出ていく血液の量が低下し、低血圧や低体温・循環不全を起こしている場合に投与します


これらの薬剤を状況に応じて組み合わせて治療します。

肺水腫改善後レントゲン

同じワンちゃんの入院治療後3日目のレントゲン写真です。

真ん中にある心臓の形がはっきりと見えるようになりました。

ここまで来ると一山超えられたなという感じです。


その子により治療反応は様々ですが、スムーズな経過であれば3日前後くらいで当院では一時退院としていることが多いです。

その後は慢性の心臓病の子として飲み薬を継続し、定期的な診察で経過を見ていくことになります。


心臓病の急な悪化は対処が遅れると、命取りにもなりうる怖い病気です。

もし急に咳が増えてきた時は一度診察を受けていただいて、必要に応じてレントゲンや超音波検査などで呼吸器病や心臓病が出ていないかなというチェックをおすすめします。


また、咳や呼吸の急な悪化がみられたり、現在の投薬内容の確認をして欲しいなどお困りの際はぜひ当院へご相談ください。

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あいす動物病院

住所:千葉県市川市南八幡2-16-14

電話番号:047-702-5797

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